想定顧客の分母は小さくするべきということ?

 1101新聞で、想定読者はどこなんだと疑問に感じるほどニッチで、だけど素晴らしくかつ、難しい鼎談を掲載しています。掲載コストが低いインターネットだからこそ実現する企画ですね。まったくありがたいです。

岩田
  マスに向けた行動になってしまうと、底引き網的にやるしかないので、
  ひとつひとつに対して丁寧にできないんですよね。
  すると、深さも出ないし、あと、なにより副次的に生まれるものがない。


やることを誠実に小さくしていくと、奥行きが出て、豊かになっていく:: 適切な大きさの問題さえ生まれれば。

 マスを標的にした商品は、供給過剰な今の時代おいて、過当競争になる宿命をもっているわけです。

 だから逆に狭いマーケットを対象にして丁寧にやっていけば、個人の小さな力でも世の中に通用するなにかを生み出せるのかもしれません。

梅田
  やっぱり、その人固有のものがあるわけでしょう。
  個性というか、得意な分野というか。
  そういうものをみんながきちんと見つけて、
  それぞれに掘っていけば、
  そこに生じるパワーというのは、
  インターネットという道具と相性がいいですから、
  どんどんつながっていくと思うんです。
  そうすると、世の中ってよくなるんじゃないかな。
  まぁ、「よくなる」の定義はともかくとして。

 自分が得意なことやりたいことは、突き詰めて行くと、非常に小さなマーケットにしか需要がない。けれど世界を相手にできるなら、小さいとは云えそれなりのマーケットサイズがあるということなのかも知れません。そして、インターネット技術はそれを支援できるのです。
 梅田さんって、本当にオプティミストです。