投資対効果が高いシステム構築をするには

SIベンダーが提案しやすいITシステム導入のテーマは、バックオフィスの効率化です。ITシステムを使って業務効率を上げて、生産性を上げる行為は成果が想像しやすいからです。実際、成果もでやすいと思います。


ただ、このアプローチには落とし穴があって、本来は、お客様が自らITシステムを導入する以前に業務フロー現状理解と、未来の業務フローの設計をしなくてはなりません。これが実に難しいのです。業務フローを整理することで既得権益が侵される人がでてくるからです。そんな時、お客様はこの危険な業務フローの整理をSIベンダーにしてもらおうとします。*1 要件定義工程が紛糾する典型的なパターンです。


逆にお客様が自社の業務フローをよく理解し、どの部分をITシステムに置き換えれば効果が上がるか検討した上でシステム構築を依頼すれば、投資対効果が高い買い物ができます。SIベンダーの最大のリスクは要件定義工程にあるので、スコープがしっかりしていれば正確な見積を出しやすいですし、新たなアイデアも提案しやすいのです。


最後に、提案しにくいITシステム導入テーマとは何か…ですが、それは導入することで売上があがりますよ…というシステムです。システムというのはあるビジネスモデルを効率化する手段でしかなく、導入そのものが売上につながるわけではないからです。

*1:基本的に業務フローの整理は、業務コンサルの仕事だと思います。