SIer における不良在庫とは

製造業や商社、小売と異なり、SIerには不良在庫が発生しないはずです。*1
強いてあげれば、稼動していない人間かな?という危険な考えが脳裏に浮かんだりもしますが、それ以前に検討すべきものがあります。

それは、プログラムやドキュメントです。プログラムはそれが何者なのかを外部から伺うための情報が不足すると、中を見ないとわからないという致命的な不良在庫ぶりを発揮するのですが、ここではドキュメントについて記します。

それらは印刷されていなければ仮想的な存在なので、少しのHDDの容量を我慢すれば物質的な在庫のように場所を圧迫することはありません。HDDの容量も安価になりましたので貯蔵のコストもたいしたことがないように思えます。そうして、これらの電子ファイルたちは増殖に増殖を重ねていきますが、その結果、これらは不良在庫になりはてるのです。

電子ファイルたちは増殖していく過程でノイズを多く取り込んでいき、最後にはファイルサーバーを巨大なごみ箱に変えてしまいます。お客様とのやりとりの経緯が必要になって、そのごみ箱の腑分けが必要になったときなどは最悪です。

ノイズの原因には色々な種類があって、不適切なフォルダ名だったり、大量の中身が空のフォルダだったり、フォルダ内に似て非なるファイルがあふれ返っており、フォルダ内の見通しがわるいだけではなく、どれが最終版かわからなかったりだとかがあります。
これを手動で検索していくのは、非生産的な稼動というしかありません。

これは編集過程のファイルを孫フォルダを作ってそこに移すか削除して最終版だけ残すという工夫で回避できる事例ですが、人がファイル整理のような手間を惜しんでしまうのは宿命のようでなかなか直りません。

プログラマの人たちは Subversion などのソース管理ソフトを利用して、比較的整理できているようですが*2、私のような PowerPointer たちに理解しやすい電子ファイル管理ソフトはないものでしょうかねぇ。あるいは整理整頓が好きでたまらないライブラリアンを雇って、強力な削除決定権を与えるか・・・

*1:ハードウェアやパッケージソフト販売を行っていない場合

*2:何者かわからない仮想環境を増殖させるという悪癖がありますが・・・