すぐにコモディティ化してしまう危険

 ビル・ジョイが「自分がやらなければ世の中に起こらないことをやる」と言っています。これからの時代をサバイバルしていくというのはどういうことなのかと考えれば、コモディティ化の問題に必ずつきあたる。今の時代がたいへんなのは、自由の代償に、すぐにコモディティ化してしまう危険があるからです。

 絶対にコモディティ化しないのは、個の固有性だけです。その固有性を競争力のある状態にしていくことに、どれだけ意識的に生きていくか。これは「勤勉性」とは別のことです。頭がいいとか、勤勉であるとか、ずっと長い時間働いているといったこととは、違う軸の話です。


「世界観、ビジョン、仕事、挑戦――個として強く生きるには」講演録JTPAシリコンバレー・ツアー2008年3月6日)- My Life Between Silicon Valley and Japan

 梅田望夫さんがまたも素晴らしいエントリをしてくださっています。ありがとう!
 このエントリには沢山の有益な情報がつまっていますが、自分が特に気になったのは引用した部分です。自分の能力、職務、さらには所属業界がコモディティ化していくのではないかという恐怖が常に自分の中にあるからです。そして、その処方箋が「固有性を競争力のある状態にしていくこと」だと梅田さんは云います。

 「個の固有性」というのは抽象的で難しいテーマですが、私は「自分のすきなこと」とか「正しいと思うこと」という意味だと考えています。生きていくためには、「自分のすきなこと」をマネタイズできるかという問題もあります。しかし、「できる」と信じる人生のほうが豊かなのかも知れません。