要件定義をユーザが行う仕組み - マジカ

SIer にとって、要件定義は大変な作業です。私は要件定義を上手く進めることができれば、低コストでシステム構築できると考えています。


要件定義をユーザにやってもらうことによってこの工程のリスクを減じようと考えた企業があります。スターロジックです。この会社はマジカとよぶ要件定義支援ツールの提案と、要求定義カード一枚8万円というわかりやすい価格体系によって、ユーザ自ら要件定義させることに成功しています。

羽生氏
最初のAsIsのマジカは無心で書いて頂いてOKですが、最終的なToBeの業務フローを決めるときには、もう1回マジカを書いて頂き、この後に、最終的な要求定義のカード枚数を決めるのです。


平岡
要求定義のカード枚数を決めると同時に、システム化対象の業務も決定するわけですね。


羽生氏
そうです。例えばお客様が50枚の要求定義のカードを手にしていたとすると、400万円が必要だと、自分たちで計算できますね。ところが予算は300万円しかない。じゃあどうするか…、この仕事は今後も本当に必要か?なくすことは可能か?という具合に、お客様自身が自分たちの組織のToBeを真剣に考え抜くのです。その結果、お客様自身による業務のイノベーションが実現し、明確なToBeが描けるのです。イノベーションによって要求定義のカード枚数は減りますが、そこは私としては望むところでもあるのです。



「要求定義のカード1枚8万円」と堂々の宣言。人月商売のIT業界に一石を投じた「マジカ」、成功のキーポイントはどこにあるのか。- NTTデータのMOYA

ユーザが自ら要件定義するインセンティブを上手に与えていて素晴らしいです。普通、要件定義の参加者が予算金額を意識することはないので、要件が膨張することがよくあります。そのために要件定義工程が大変なことになるわけです。


しかし、マジカを使った要件定義であれば、金額の計算方法が明確でわかりやすいために、ユーザは喜んで要件定義を行いますし、進んで優れた業務プロセスに到達しようとします。さらにコスト感覚も理解されやすくなっています。全く素晴らしいです。しかし、実際は良いことばかりではないでしょうから、プロジェクトの中身にすごく興味があります。