消費のクリエイティブってなにそれ?
糸井 マイケルの遊園地って、
なんだか幼児がひとりで夢見る「お菓子の国」みたいなものじゃないか、
って気がするんです。
すばらしいお菓子の国。アートとしても天下一品。
でも、みんな食べちゃだめ!
このすごいお菓子の国を食べていいのは、ボクだけなんだ――。
こうしたおカネの使い方って、
きわめてここ10年のおカネの使い方、
お金持ちのあり方って感じがしませんか?
いっぱい稼いだ。世界有数の金持ちになった。
でも、ボクがひとりで使っちゃうんだ……。
ここに創造的なおカネの使い方は、ない。
これが、みんなボクのお菓子の国においでよ、
どんどん食べちゃってよ、楽しいでしょ、
っていうひとがお菓子の国の王様だったら、ぜんぜん違うよね。
まさに、このお菓子の国は、「友達が喜んでくれる」世界一の国になる。
そして、みんなが喜んでくれるお菓子の国をつくるためのカネは、
たいへんすばらしい、人が喜ぶものになるわけです。
つまり、ここには「消費のクリエイティブ」がある。NBO 消費のクリエイティブ……。
糸井 そうです。
ものもなにもかもが余っているからこそ、
いま大切なのは、稼ぐ以上に、つくる以上に、
「消費のクリエイティブ」、創造的なおカネの使い方なんです。
その先にぼくは、みんながもとめている様々な答えがあるような気がする。
矢沢永吉×糸井重里「素人社長会議」::NBO
アメリカにはお金の使い方の選択肢としての寄付文化があります。しかし、糸井さんの考えはその寄付の先を行っています。彼は消費行為に対してアートであることを提案しているようです。
糸井さんが天才であることは置いておいて、このような意見がでてくるという意味で、日本はとてつもなく成熟した社会になったのかもしれません。
あと、消費を投資と言い換えてもよいと思いました。